気象庁の天気予報・地震情報をAPIで取得する

執筆:NextLogic元SE・IT実務15年/政府オープンデータ・各府省APIを自ら検証) / 最終更新:2026-07-04

気象庁は天気予報や地震情報をJSON形式で公開しており、申請なし(キーレス)で利用できます。キー登録の手間がないため、政府APIを初めて触る人が最初に試すのにも向いています。このガイドでは、天気・週間予報・地震・台風・津波・アメダス観測値それぞれで何が取れて、地域コードや観測所IDをどう指定するのか、そして実運用で気をつけたい遅延や欠測の扱いまでを、実例つきで整理しました。

気象庁APIで取れるデータ

今日・明日の天気予報、週間予報、発表された地震情報(発生時刻・震源・マグニチュード・最大震度)、台風情報、津波予報・注意報、アメダスの気温・降水量などの観測値が取得できます。予報(これからの見通し)と実況(いま観測された値)の両方を、いずれも公式の一次情報として取れるのが強みです。

防災アプリ、地域メディアの天気コーナー、データ分析の下ごしらえなど、用途は幅広く使えます。予報系は地域コードで指定し、実況系(アメダス)は観測所を選んで取得する、という二つの入口があることを押さえておくと迷いません。

キーレスで使える(申請不要)

気象庁の公開データはAPIキーの申請が不要で、すぐに取得を試せます。e-Statのようなキー登録が要らないため、思い立ったその場で疎通確認ができます。地域は地域コード(府県予報区など)で指定し、全国分のコードが公開されています。

利用にあたっては出典表示を行い、配信の遅延・更新タイミングに留意してください。キー不要ゆえに運用コストが低く、常時ポーリングする防災用途などでも扱いやすいのが利点です。ただし緊急性の高い用途では、公式の受信手段と併用して取りこぼしを防ぐのが安全です。

取得の具体例(パラメータの渡し方)

天気予報は jma_forecast に areaCode を1つ渡すだけです。地域コードは府県予報区に対応し、返る中身は天気・降水確率・気温・風などです。より先の見通しが欲しいときは jma_forecast_week に同じ areaCode を渡すと週間予報になり、jma_overview では地域の気象概況(見通しの文章)が取れます。地域コードを一度控えておけば、以後はコードを差し替えるだけで全国どこでも取得できます。

観測実況が欲しいときは、まず amedas_stations(パラメータ不要)で全国の観測所マスタ(観測所ID・名称・緯度経度・標高・観測種別)を取得し、目的地に近い観測所IDを選びます。そのIDと date を amedas_data に渡すと、気温・降水量などの観測値が返ります。観測所を先に引き当てるのがコツで、これを飛ばすと正しいIDが分からず空振りします。

地震・台風・津波は引数なしで最新一覧が取れます。jma_earthquake は最近の地震一覧(発生時刻・震源・マグニチュード・最大震度)、jma_typhoon は台風情報、jma_tsunami は津波予報・注意報を返します。いずれも「最新の発表状況」を返すので、定期的に呼び出して更新を検知するポーリング型の使い方に向いています。

よくあるつまずき

地域コードの取り違えが最多です。気象庁の府県予報区コードは、e-Statや自治体統計で使う全国地方公共団体コード(5桁)とは別体系です。天気予報のつもりで自治体コードを渡すと該当しないため、必ず気象庁側のコードを使ってください。市区町村名から気象庁コードへの対応は、あらかじめ変換表を用意しておくと運用が安定します。

アメダスは観測所ごとに観測項目が異なります。気温はあっても積雪や日照がない地点があるため、amedas_data の返り値には欠測(null)が混じります。集計時は欠測をどう扱うか(除外するか、前値で埋めるか)をあらかじめ決めておかないと、平均値などがゆがみます。観測所種別も amedas_stations で確認できます。

地震・台風・津波などは発表があったときだけ内容が更新されます。平常時は前回発表のままなので、返ってきた発表時刻を見て「新規発表か、前回のままか」を判定してください。配信には数分の遅延があり得るため、命に関わる緊急用途では気象庁の公式受信手段と併用するのが原則です。

分析ユースケースと関連ツールの使い分け

①地域天気ウィジェット:jma_forecast と jma_forecast_week を組み合わせ、今日から週間までの予報をまとめて表示するミニアプリが作れます。地域コードを切り替えるだけで全国対応でき、jma_overview の概況文を添えると読み物としても成立します。

②防災アラート:jma_earthquake / jma_tsunami / jma_typhoon を定期取得し、一定震度以上の地震や津波注意報の発表を検知して通知する仕組みが作れます。いずれもキー不要なので運用コストが低く、個人プロジェクトでも常時稼働させやすいのが利点です。住所を座標化してハザード系ツール(別ガイド参照)と組み合わせれば、地点ごとのリスクも添えられます。

③気候データ分析:amedas_stations で観測所を選び、amedas_data で日々の気温・降水量を集めると、地域の気温推移や降水傾向を可視化できます。予報系(jma_forecast / jma_forecast_week)と実況系(amedas_data)、突発情報系(jma_earthquake / jma_tsunami / jma_typhoon)の3系統を、目的に応じて使い分けるのが基本です。

地域コードと観測所の下準備

気象庁APIを快適に使うカギは、地域コードと観測所IDをあらかじめ手元に整えておくことです。予報系(jma_forecast / jma_forecast_week / jma_overview)は府県予報区などの地域コードで指定するため、対象地域のコードを一度調べて変換表にしておくと、以後はコードを差し替えるだけで済みます。市区町村名から気象庁コードへの対応表を持っておくと、ユーザー入力の住所を予報に橋渡しできます。

実況系(アメダス)は観測所単位です。amedas_stations で全国の観測所マスタ(観測所ID・名称・緯度経度・標高・観測種別)を取得できるので、これを保存し、緯度経度から最寄りの観測所を選ぶ、という前処理を用意します。目的地の座標に最も近い観測所を選ぶロジックを組んでおくと、任意地点の実況を近似的に取れます。

予報は地域コード、実況は観測所IDと入口が分かれている点を最初に押さえ、それぞれの対応表を用意しておくことが、気象庁API活用の実務的な下準備になります。ここを整えておくと、複数地域・複数地点への横展開がスムーズです。

実際に叩いてみる(気象庁・登録不要)

気象庁の予報JSONは登録不要で、地域コード(東京=130000)を差し替えるだけで全国どこでも取得できます。weatherCodes(数値コード)と weathers(人間向けの文言)が並びで返るのが特徴です。

リクエストと実際のレスポンス(2026-07-18 に取得)
# 東京(130000)の予報。地域コードを変えれば全国どこでも
curl -s https://www.jma.go.jp/bosai/forecast/data/forecast/130000.json

# 実際のレスポンス(抜粋)
[{
  "publishingOffice": "気象庁",
  "reportDatetime": "2026-07-18T05:00:00+09:00",
  "timeSeries": [{
    "areas": [{
      "area": { "name": "東京地方", "code": "130010" },
      "weatherCodes": ["200", "210"],
      "weathers": ["くもり 所により 雨", "くもり 昼過ぎから時々晴れ"]
    }]
  }]
}]

出典

この記事を書いた人
NextLogicCiviNavi 主筆

元システムエンジニア。Web系アプリ開発6年+ソリューション9年、IT実務およそ15年。個人開発者として、政府オープンデータや各府省のAPIを実際に叩いて検証し、「何が取れるか」「実装時にどこで詰まるか」「どう活用するか」を一次検証にもとづいて記録しています。

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