パブリックコメントをRSSで自動監視する

執筆:NextLogic元SE・IT実務15年/政府オープンデータ・各府省APIを自ら検証) / 最終更新:2026-07-15

パブリックコメント(意見公募手続)は、省庁が政省令や制度を変えるときに国民の意見を募る仕組みです。自社や自分の分野に関わる制度改正が水面下で進んでいないか——これを人力で毎日チェックするのは現実的ではありませんが、e-GovはRSSで配信しているので自動監視できます。登録も不要です。ただし配信は「全件」ではなく、締切日などの重要情報はXMLの構造化フィールドではなく本文テキストの中に埋まっています。このガイドでは、実際に叩いて確認した仕様と使い方を整理します。

2種類のフィードがある

配信は2本立てです。`https://public-comment.e-gov.go.jp/rss/pcm_list.xml` が**意見募集中**の案件、`https://public-comment.e-gov.go.jp/rss/pcm_result.xml` が**結果公示**(募集が終わり、寄せられた意見と対応が公表されたもの)です。認証は不要、文字コードはUTF-8です。

「これから意見を出せるもの」を追いたいなら list、「あの案件はどうなったか」を追うなら result、という使い分けです。result 側には提出意見数も入るので、どの案件が注目されたかが分かります(実測では0件から172件までのばらつきがありました)。

なお古い記事には `https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public/pcm_list.xml` というURLが載っていることがありますが、**これは現在404です**。RSSの配信先は `/rss/` 配下に移設されています。

形式はRDF/RSS 1.0

レスポンスは RDF/RSS 1.0 です(`xmlns="http://purl.org/rss/1.0/"` に `rdf:` 名前空間)。Atomでも素のRSS 2.0でもないので、パーサーの選択に注意してください。

`channel` に全体情報(タイトル・説明・`items` として案件IDの配列・`dc:date` にフィード生成日時)、各 `item` に `title`(案件名)、`link`(詳細ページURL)、`description`、`dc:date` が入ります。

締切日は構造化されていない(本文テキストに埋まっている)

実装で必ず引っかかるのがこれです。**締切日・カテゴリ・所管省庁といった、いちばん欲しい情報が独立したXML要素になっていません**。すべて `description` の中に、`<br/>` 区切りのテキストとして詰め込まれています。実際の値はこうです。

`案の公示日:2026/07/15<br/>受付締切日時:2026/08/19 00:00<br/>カテゴリー:国民生活の安全・安心の確保<br/>問合せ先(所管省庁・部局名等):内閣府政策統括官(サイバー安全保障担当)付<br/>`

つまりXMLをパースしただけでは締切日が取れず、その中のテキストを `<br/>` で分割し、全角コロンで key と value に割る、という二段構えの処理が必要です。結果公示のフィードでは、これに加えて「結果の公示日」「命令等の公布日」「提出意見数」が同じ形式で入ります。省庁側のフォーマットが変わると壊れる作りなので、パースは防御的に書いてください。

カテゴリで絞り込める(ただし対応表はAPIから取れない)

分野を絞りたい場合、`https://public-comment.e-gov.go.jp/rss/pcm_list_{10桁ゼロ埋めコード}.xml` という形でカテゴリ別のフィードが取得できます。実際に叩いて確認できたコードは次のとおりです。

`0000000001`=IT社会化推進、`0000000002`=経済財政政策、`0000000003`=共生社会政策、`0000000004`=国民生活の安全・安心の確保、`0000000005`=地方分権改革等、`0000000020`=都市計画、`0000000025`=国有財産、`0000000030`=産業一般、`0000000035`=工業、`0000000040`=海運、`0000000047`=環境保全。

厄介なのは、**このコードと名称の対応表がAPIからは取得できない**ことです。RSS本文にはカテゴリ名の日本語文字列しか入っておらず、コード一覧を返すエンドポイントもありません。上記は実際に叩いて確認したものですが、これが全量である保証はありません。総数は不明です。

存在しないカテゴリコードを指定すると、301リダイレクトを経てエラーページに飛び、最終的に404になります。リダイレクトを自動追従する設定(多くのHTTPクライアントの既定)であれば、エラーとして正しく検知できます。

全件は取れない(固定件数のダイジェスト)

最後に、設計上いちばん重要な制約です。このRSSは**全件配信ではありません**。実測では、意見募集中が6件、結果公示が12件という固定件数のダイジェストでした。ページングのパラメータもありません。

つまり「過去のパブコメを全部集めてデータベースを作る」という用途には使えません。**「新しく出たものを取りこぼさずに拾う」定期監視**が本来の用途です。数時間おきにポーリングし、前回から増えた案件を検知して通知する、という作りが向いています。

更新頻度については、実測時に list / result とも `dc:date` が同じ時刻を指していました。1日1回の更新である可能性がありますが、1回の観測だけなので推測です。監視の間隔は保守的に設定してください。

実際に叩いてみる(e-Govパブコメ RSS・登録不要)

e-Govのパブリックコメント一覧はRSSで登録不要で取得できます。案件一覧RSSに各意見募集のタイトルとリンクが入ります。締切日が本文テキストに埋まっていて構造化されていない点、配信は一覧のダイジェストで全件取得APIではない点に注意します。

意見募集案件一覧(RSS・2026-07-18 実取得)
curl -s "https://public-comment.e-gov.go.jp/rss/pcm_list.xml"

# 実際のレスポンス(抜粋・RSS/RDF)
<rdf:RDF ...>
  <channel>
    <title>パブリックコメント・意見募集案件一覧</title>
  </channel>
  <item>
    <title>予防接種実施規則の一部を改正する省令案に関するご意見の募集について</title>
    <link>https://public-comment.e-gov.go.jp/…</link>
  </item>
</rdf:RDF>

出典

この記事を書いた人
NextLogicCiviNavi 主筆

元システムエンジニア。Web系アプリ開発6年+ソリューション9年、IT実務およそ15年。個人開発者として、政府オープンデータや各府省のAPIを実際に叩いて検証し、「何が取れるか」「実装時にどこで詰まるか」「どう活用するか」を一次検証にもとづいて記録しています。

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